技能実習生 採用までには 5~8ヶ月はかかります
「技能実習生を採用したい!」と思っても、日本人を採用する時のような短期間で採用という訳には行きません。慎重に人材を選ぶからという訳ではなく、技能実習生を採用するまでには多くのプロセスがありますので、その分、時間も掛かってしまいます。
技能実習生を採用するには、相当の準備と計画をもって人材戦略を行っていく必要がありますので、技能実習生採用までの流れをご説明いたします。
STEP1(初期準備)~STEP7(就労)の詳細
①企業様と打ち合わせ
お問合せを頂きました企業様の元へ当組合担当職員がご訪問しまして、「技能実習制度とは」について流れや注意事項などをご説明いたします。
②希望人材のヒアリング
技能実習生を働かせたい作業内容などをヒアリングをして、実際に働く現場を視察させていただきます。それを踏まえて上で、労働条件等の求人内容を受け付けさせていただきます。
③当組合への加入
必要書類への記入と出資金及び組合年会費などの事務手続きを行います
④技能実習生の募集
ヒアリングさせていた頂いた求人内容等を現地送り出し機関へ伝えて、現地にて技能実習生の募集を掛けます
⑤面接候補者の選抜
現地送り出し機関にて、集まった技能実習候補者へ各種テスト等を実施し、面接候補者を選抜いたします。選抜する人数は、採用予定人数の2~3倍の候補者を選抜いたします。
⑥企業様による面接等
選抜された候補者を面接をいたします。現地に行って、候補者本人に会って採用者を決める場合と、WEBミーティングシステム(ZoomやSkypeなど)を使って面接を行う場合もあります。
⑦採用者決定
面接等を経て、採用する人材を決定します。決定時には送り出し機関や採用者と受入れ契約や雇用契約等を締結いたします。
⑧技能実習計画の作成~申請~認定
技能実習を行う企業様から就労に関しての情報をヒアリングを行い、監理団体と技能実習生採用企業様とで技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構へ申請をし、技能実習計画を認定してもらいます。
⑨技能実習生への事前講習実施
現地で技能実習生へ日本語や日本文化、日本の生活習慣などについての事前講習を実施します。
約4か月間の講習です
⑩在留資格認定申請書の作成~申請~認定
技能実習生が日本に来て就労できるためにビザの申請を行います。
⑪技能実習生の住居等の準備
技能実習生を採用する企業側では、技能実習生が住む部屋の契約や確保と企業内で外国から技能実習生が来て自社で働く事についての情報周知の徹底をします。また、これを機会にして、業務フローの見直しや改善、作業マニュアルの改訂や作成なども実施して、技能実習生を向かい入れる準備を会社全体で準備をします。
⑫お迎え
監理団体職員が来日した技能実習生を空港まで迎えに行きます
⑬採用する企業で対面、入社式などの実施
実際に技能実習生が働く会社に行き、スタッフなどへのあいさつや会社見学などを行います
(挨拶等を行いますが、まだ、実際には就労をしません)
⑭住居へ送る
監理団体職員がこれから日本で住む部屋へ技能実習生を送っていきます。日本での生活に関しての説明等を行います
⑮入国後の集合研修の実施
技能実習生は日本にやってきて、日本で働く事が現実になります。日本の生活に対応していく為に具体的な講習を約一か月間受けます
⑯受入れ、採用準備の最終段階
技能実習生を採用する企業側では、事前に周知徹底してきた技能実習生採用について、とうとう目の前に迫ってきます。各部署での対応確認や技能実習生にやってもらう業務の内容や安全衛生管理状況の確認、作業マニュアル等の確認などを、実習生が集合講習を行っている間に、今一度確認をしましょう。
⑰技能実習生の就労がはじまります
待ちに待った技能実習生があなたの会社で働き始めます。はじめの数か月は、言葉の壁や文化の違いによるミスコミュニケーションや仕事の指導による業務の増加などがあり、大変になりますがそれも数か月で落ち着きます。
技能実習生はあなたの鏡、技能実習生はあなたの会社の鏡です。技能実習生を通じて、あなたやあなたの会社の事が色々と見えてくるでしょう。
技能実習生の保護と禁止行為
技能実習生を採用するのは、「労働力不足解消」ではなく、「技術の伝承・人材育成」という事を以前ご説明したと思います。
それに関連して、技能実習生を採用する企業側での禁止事項をお伝えしておきますので、この禁止行為は絶対にしないようにしてください。
①暴力、脅迫、監禁等による技能実習の強制の禁止
実習監理者又はその役職員が、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、技能実習生の意思に反して技能実習を強制する事は禁止されています。これに違反した場合には、罰則(1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金)の対象となります。
②技能実習に係る契約の不履行についての違約金等の禁止
技能実習生との間で違約金等の契約がされることは、実習実施者における業務従事の強制等の問題を引き起こし、技能実習生の自由意思に反した人権侵害行為を引き起こす恐れがあり、このような行為から技能実習生を保護することが必要とされています。
このため、実習監理者又はその役職員が、技能実習生等又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他技能実習生等と社会生活において密接な関係を有する者との間で、技能実習に係る契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をすることは禁止されています。これに違反した場合には、罰則(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の対象となります。
③旅券、在留カードの保管等の禁止
技能実習生の旅券や在留カードの保管や外出等の私生活の自由の制限は、技能実習生の国内における移動を制約することで実習実施者における業務従事の強制等の問題を引き起こし、技能実習生の自由意思に反した人権侵害行為を惹起する恐れがあり、こうした行為から技能実習生を保護することが必要とされています。
この為、技能実習を行わせる者若しくは実習監理者又はこれらの役員が、技能実習生の旅券や在留カードを保管する事は禁止されています。これに違反して、技能実習生の意思に反して技能実習生の旅券や在留カードを保管した場合には、罰則(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の対象となります。
④主務大臣に対する申告
技能実習生本人が、技能実習法令に違反する行為に遭遇した際に、自ら実習実施者、監理団体等の不法行為等を申告することができれば、迅速かつ的確な主務大臣の権限行使によって、不法行為を是正することが可能となり、技能実習生の保護が図られることとなります。
その為、実習実施者若しくは監理団体又はこれらの役職員が技能実習法令の規定に違反する事実がある場合においては、技能実習生は、その事実を主務大臣に申告yする事が出来る事としています。
当然、実習実施者若しくは監理団体又はこれら役職員が、技能実習生が申告をしたことを理由として技能実習の中止その他不利益な取扱いをすることは禁止されており、違反した場合には罰則(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の対象となります。